全ては小さな神社から始まった
2014年、東日本大震災の慰霊の意味を込めて創建された『サンマリノ神社』。それを機に、サンマリノ共和国と日本の交流が始まりました。それをもっと深いものに育て、平和の国サンマリノと日本から、世界に向けて何かを発信できないか? そんなシンプルな想いから、『サンマリノ神社』の創建2周年記念として、2016年に『サンマリノ・ニッポンまつり』がスタートしました。
サンマリノ日本友好協会、在日日本大使館、そしてサンマリノの国有ワイナリーで管理されるサンマリノワインの、日本における総代理店であるOGGI COMPANYが中心となって、主旨に共感してくださる企業を募って始めた、まさに手作りのイベント。メインとなるのは、『サンマリノ神社創建2 周年記念式典』と、両国公式晩餐会、そして『JAPAN STAND』と銘打った、食を中心とした文化交流です。
サンマリノ神社創建2 周年記念式典(6月25日)
長浜八幡宮から女性の神職が参加されて執り行われた式典は、日本からも多くの要人や、ツアーで参加された方々が出席されました。在日サンマリノ共和国大使のマンリオ・カデロ閣下、サンマリノ在住のフランチェスコ・ブリガンテ宮司、サンマリノ日本友好協会会長のダニーロ・キァルッツィ氏などを中心に、現地の方々も多数出席。ぶどう畑に囲まれた神社の、厳粛でありながら和やかな式典となりました。
歓迎式典(6月25日)
神社で行われた創建式典の後は、サンマリノの中心にある『リベルタ広場』(自由の広場)に戻って、サンマリノ共和国による歓迎式典が開催されました。中世の衣装に身を包んだ若者たちの太鼓のパフォーマンスに続いて、サンマリノから感謝状とサンマリノの工芸品である絵皿を贈られ、日本は浮世絵を返礼の品として贈りました。
世界遺産でもある石畳の広場は、その後、野外での晩餐会『ガラディナー』の会場に姿を変えていきます。
両国公式晩餐会・提灯行列(6月25日)
標高700m、ティターノ山の頂上近くに位置する『リベルタ広場』は、山並みの
彼方にアドリア海を望む、まさに天空の広場です。真っ青な空の下、太陽が少し傾き始めた頃から、広場に面したレストラン『Righi(リギ)』に真っ白なテーブルが並べられ、参加者が正装に着替えてワイングラス片手に集います。この眺望と、心地よい風と光りのコラボレーションは、サンマリノでしか味わえません。
ディナーのメニューは、リギのオーナーシェフ、ルイギ・サルティーニ氏と、サンマリノ共和国の『食の平和大使』でもある、イタリアンの奥田政行シェフのコラボレーション。奥田シェフの元、日本各地から料理人が集まり、この晩餐会でしか味わえないスペシャルメニューが並びました。
ディナーの後は、伊勢商工会議所の協賛による、提灯行列。もともと提灯行列は、祝賀のときにその祝いの気持を表すために、人々が提灯を片手に街を練り歩くという日本独特の文化ですが、サンマリノの中世の趣を持った世界遺産の街並みに、提灯の明かりはとてもよく合い、大好評でした。
JAPAN STAND〜食の文化交流
創建式典で始まり、深夜の提灯行列で終わった、盛りだくさんの25日。翌26日は、『ニッポンまつり』の名前にピッタリの、広場に出店を並べての『JAPAN STAND』が開催されました。協賛として参加してくださった、日本各地のお米や日本酒、豆腐、お茶などのメーカーが、日本の食の魅力を披露! 晩餐会のコージャスな雰囲気から、一気にお祭りの屋台の賑やかさに変わります。抹茶のジェラートやおにぎりは、地元サンマリノの方や、観光客の方々に大人気でした。
全てが初めての試みで、意外なものが足りなかったり、予測と違ったりということは多々ありましたが、サンマリノ側、日本側がお互いに何を求めているのかがとてもよくわかった第1回。心の距離が少し縮まった分、来年はこうしたい、という意見もたくさん上がり、続けて行ける確信をもつことができました。
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