青山でワインを飲みながら、気取らずに美味しいものを食べたいなあ……と思ったら、間違いなくこのお店をオススメします。青山通りからキラー通りを下り、少し行った右手のマンションの2F。外にある階段を上がった奥にひっそりとある隠れ家的なレストランバー『南青山nice』です。
扉を開けるとビックリ! 黒檜を使ったテーブルやワインセラーと控えめな間接照明の、とっても温かみのある落ち空いた空間が広がっています。
ガラス越しに見えるオープンキッチンの中、黒いTシャツに慣れた手付きでフライパンを振っているのは、オーナーシェフの町田智也さん。老舗フレンチレストラン『ひらまつ』出身というだけあって、出てくる料理は、素材といい、味付けといい、絶品ばかり。その日仕入れた最高の食材を素晴らしいセンスで料理してくれます。
だから、毎回メニューはシェフにおまかせ!
今日は、人参とクスクスの『キャロット・ラペ』と、真っ赤なドライトマトが笑顔で迎えてくれました。あら素敵! と思わず目を引かれるお皿も全て特注のものだそう。『鳥のジュレと牛たんのアスビック』や、枝豆の入ったテリーヌがこんな風に贅沢に盛られて、胸を張って登場。厚切りの牛タンの美味しいこと!
ここのお店は、サンマリノワインが各種揃っているのでも有名です。ソムリエの資格も持つ町田シェフが、料理にピッタリのものをセレクトしてくれます。いや、ワインにピッタリの料理を作っている……の方が正しいかな?
ワイングラスは、知る人ぞ知るハンドメイドの『ガブリエルグラス』。無鉛クリスタルの薄い飲み口と、細いステム、その全てが継ぎ目のないワンメイクという、思わず見とれてしまうフォルムです。このグラスで飲むと、ワインの味が数ランクアップするとか。
グラスの話に花が咲いていると、仕入れたばかりの新鮮なムール貝を、宮城県の銘酒『伯楽星』で蒸した『ムール貝の酒蒸し』が山盛りで出てきました。大粒でプリップリ。思わずテーブルに歓声が上がります。
『伯楽星』は、宮城県の最年少杜氏・新澤巌夫氏が作る新澤酒造の銘柄。究極の食中酒を目指し、静かに食に寄り添う飲み飽きない日本酒として人気があるそうです。
そういえばサンマリノワインも、コルク栓を開けたときから静かに熟成が進み、変化しながら食に寄り添うのが特徴。さすが、ワインも料理も極めた料理人のお店だなあと、改めて感動してしまいました。
キャビア、いくら、とびこが贅沢に乗ったホタテと、上質の肉の味が口いっぱいに広がるローストビーフ。魚介も肉も食べたいというワガママを、ちゃんと満足させてくれます。
最後は、手作りの極薄生地に、ポルチーニ茸とゴルゴンゾーラ、ルッコラがたっぷりとのったオリジナルのピザで大満足。まだいけそうな方には、常連客が必ず注文する特製ビーガンカレーもあります。
気がつけば、店内は満席。「そのワイン、何ですか?」なんて、隣の席のお客さんに聞いたり、町田シェフに料理のレシピを聞いたり、ワインと料理を囲んだコミュニケーションが広がって、とても素敵な時間が流れていました。
さて、次に行ったときは、どんな料理が出てくるかな?
何度行っても新鮮な食の感動に出会える、本当に贅沢な店です。
『南青山nice』
〒107-0062 東京都 港区南青山4-1-1 セントラル第二青山202
03-3403-0555
18:00~26:00
日曜日・祝日定休
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